- 電験三種試験の合格を目指しているんだけど
- 試験が年2回開催されてCBT方式も導入されて易化してるって聞くけれど
- 取得したところで電験三種の価値が下がるんじゃないか心配
以前は難易度の高い資格でしたが、試験回数は年2回に増え、CBT方式も導入されました。今後、電験三種の資格そのものの価値がさがるのではないかと考えるのは自然なことです。
電験三種の有資格者でも、易化を心配されている方は一定数いらっしゃいます。X(旧Twitter)でその件について語られている人もいらっしゃいます。
この記事を読めば、電験三種試験の合格者が増えても資格そのものの価値は変わらない理由、電験三種試験が易化したことによるメリット・デメリットを知ることが出来ます。
電験三種試験の易化した結果、何が起こるのか知りたい方はこの記事を最後まで読んで下さい。
1. 合格者の増加とその背景
経済産業省の調査で、2030年までに電気主任技術者が2000人不足すると推計されています。電験三種の合格者が増えている背景には、このような調査結果によるものと思われます。電気主任技術者の人数を増やすために、試験回数を年2回実施し、CBT方式を導入しています。

参考:一般財団法人 電気技術者試験センター 第三種電気主任技術者試験
「一般財団法人 電気技術者試験センター」を参考にし、グラフデータを作成しました。申込者が令和4年、令和5年と急激に増加しています。
近年の電験三種試験では、合格者が増えているという現象が見られます。その背景には、試験回数を年2回実施し、CBT方式を導入したことにより、過去問題からの出題が多くを占めるようになったためであると考えられます。
1-1. 本試験で過去問から多数出題されるようになった
CBT方式が採用されたことにより、過去問からの出題が多数を占めるようになりました。CBT方式では、一定期間の中から試験日をあなた自身で選ぶことが出来ます。受けた日により難易度が変わってしまうと、不公平感が生まれます。そのため、本試験では過去問から多く出題されるようになります。
過去問の使用が受験対策において効果的
過去問を活用することは、電験三種合格への近道です。多くの受験生が過去問を繰り返し解くことで、出題傾向を把握し、効率的に学習することが可能です。過去問から学べる知識や技術は、実際の試験においても非常に重要なポイントとなります。
このように、過去問の重要性を理解し、しっかりと対策を講じることで合格へ近づくことができるのです。
1-2. 試験内容の変化
過去問題からの出題が多数占めるようになったため、試験内容が受験生にとって挑戦しやすくなりました。過去問からの出題が増えたことにより、受験生は効率的に学習できるようになりました。
試験内容の変化が合格者の増加に寄与しています。
2. 資格の価値は変わらない
合格者が増えても、そのもの資格の価値は変わらない
合格者が増加することは、試験の難易度が下がったという印象を与えがちですが、実際には資格そのものの価値は変わりません。電験三種は、電気に関する専門的な知識や技術を証明する重要な資格です。
保安監督できる電圧は50000V未満(5000KW以上の電気工作物を除く)の電気工作物となっており、何も変化はありません。
合格者が増えることにより、資格所有者は増えています。転職の際は、受け入れる企業側としてはメリットがあります。以前に比べて電気主任技術者を採用するハードルが下がります。
有資格者が増えることにより、より良い電気主任技術者を採用出来る可能性が増えてきます。
私はビルメンテナンスの設備の仕事をしています。今のところ、私の知る限りでは電験三種の有資格者が増えた感覚はありません。
勉強して資格を取得していこうという考え方の人には、合格者が増えることによるメリットは大きいです。しかし、そもそも資格を取得しようという意志のない方々が大半です。

2-1. 専門知識の必要性
資格取得によって専門的な知識を証明する必要性
電験三種を取得することで、電気に関する専門的な知識を持つことを証明できます。電験三種の資格は、実務において必要な基礎知識を身につけるためことができ、その価値は決して薄れることはありません。
2-2. 社会的な信頼性
電験三種の資格が持つ社会的信頼性
電験三種を取得することは、電気に関する専門的な知識を持っていることを示す証明書であり、社会的な信頼性を得る手段となります。資格を持つことで、会社からの信頼を獲得しやすくなり、キャリアアップのチャンスも広がります。
合格者が増えても、この信頼性は変わることがないため、資格の価値は依然として高いままです。
2-3. 実務における重要性
資格取得後の実務において、専門知識が非常に重要
電験三種を取得することにより、電気に関する専門知識を実務に活かすことができます。実務における専門性の高さが、資格の価値を支えていると言えるでしょう。
2-4. 知識のアップデート
資格取得後の継続的な学習の重要性
電験三種を取得した後も、電気の技術は日々進化しています。資格を持つ者は、常に新しい技術や知識を学ぶ必要があります。
このような継続的な学習が、資格の価値を維持する要因となります。
資格を取得することはスタート地点であり、その後の学びが価値をさらに高めるのです。
3.易化は心配不要!むしろ、電験三種を取得すれば多くのメリットあり
電験三種を取得することには、多くのメリットがあります。まず、電気に関する専門知識を学ぶことで、実務に役立つ技術を身につけられます。また、資格取得は自己成長の一環としても評価され、転職やキャリアアップの際にも有利に働くことが多いです。

3-1.職場での評価
資格を持つことで職場での評価が上がる
電験三種を持つことにより、職場での評価が高まり、昇進や給与アップのチャンスも増えます。専門知識を持っていることは、チーム内での信頼を得るための重要な要素となるため、電験三種の資格は大きなアドバンテージとなるでしょう。
3-2.キャリアの幅を広げる
資格取得がキャリアの選択肢を広げる
電験三種を取得することで、さまざまな業界や職種に挑戦できるようになります。電力会社だけでなく、建設業や製造業など、幅広い分野で活躍できる可能性が広がります。
電験三種の取得により、自分のキャリアを自由に選ぶことができるようになります。
3-3.自信の向上
資格取得が自己信頼感を高める
資格を取得することは、自己成長を実感できる瞬間でもあります。自分の努力が形になり、資格を持つことで自信を持って業務に臨むことができるようになります。
この自信は、さらなる成長を促す原動力となります。
3-4.経済的なメリット
資格取得による経済的な利点
電験三種を取得することは、給与面でのメリットももたらします。資格手当がつく会社は多くあります。私が経験したビルメン会社は3社ですが、全ての会社で毎月電験三種の資格手当がつきました。
資格を持つことで、昇給や転職時の給与交渉においても有利に働く可能性が高まります。
長期的には、電験三種の資格取得が将来的な経済的安定をもたらす要因となるでしょう。
4.電験三種の試験が易化したことによるデメリット
試験が易化することによって、受験者や資格保持者、さらには企業側にもさまざまな影響が生じる可能性があります。合格しやすくなるという利点がある一方で、その変化が資格の価値や評価にどのような影響を与えるか、不安に思う人も少なくありません。
易化による具体的なデメリットについて詳しく見ていきます。

4-1.「資格の価値が低くなるのでは?」という懸念
試験の易化に伴い、資格の価値が低くなるのではないかという心配
多くの人が合格しやすくなると、「この資格を持っているから優秀」といった印象が薄れるかもしれないと感じる方もいます。難関資格であるがゆえの評価が低くなってしまうのではないかという不安があるのです。
例えば、企業が採用の際に「電験三種の価値が以前より下がった」と感じるケースも考えられます。
易化に伴う合格者の増加が、資格の評価に影響を与えることを懸念する声があります。
試験の易化に伴って資格保持者が増えたとしても、資格そのものの本質的な価値が下がるわけではありません。むしろ、多くの人が努力し、基礎知識をしっかり身につけた上で合格を勝ち取る姿勢は、引き続き評価されるべきものです。
資格の価値を高めるためには、あなた自身が合格後も学び続け、実務に活かしていく姿勢が大切です。
4-2.努力量の違いが曖昧になる
試験の易化によって、資格を得るための努力が以前と比べて少なくても済む可能性あり
難関だった時代に合格した人々と、易化した試験で合格した人々の努力量が異なるため、同じ資格を持っていても評価にばらつきが出る可能性があるのです。
以前は数年かけて合格した人が多かったのに対し、易化によって短期間で合格する人が増えているため、合格者間での努力の差が生まれやすくなります。
試験の易化が進むと、資格取得者間での評価基準が曖昧になる可能性があります。
試験が易化している今、資格取得を目指す方にとっては大きなチャンスです。以前よりも合格しやすくなっている今こそ、短期間で効率よく合格を目指せる環境が整っています。
電験三種の資格は依然として業界で重要視されており、試験が少し易しくなったとしても価値がなくなるわけではありません。今のタイミングを活かして資格取得に挑戦し、キャリアのステップアップに役立てましょう。
4-3.継続的な勉強の意欲が低下する可能性
試験の難易度が下がることで、勉強意欲が低下するリスクあり
受験生の間では「過去問だけやれば合格できる」といった風潮が広がり、電験三種が本来求める基礎的な知識の習得が疎かになる可能性があります。
たとえば、「簡単だから過去問だけで大丈夫」と考えてしまい、基礎知識をしっかり身につけずに合格してしまうケースもあります。
試験の易化により、学習内容の定着が薄くなるリスクがあるため、合格後の実務における影響も懸念されます。
5.電験三種の易化はチャンス!今こそ挑戦しよう

試験の易化によって、電験三種は以前よりも受験しやすい資格となり、多くの人が新しいキャリアや目標に挑戦しやすくなっています。今こそ、電験三種を通じてキャリアの幅を広げる大きなチャンスです。
ただし、試験が合格しやすくなった分、「資格の評価がどうなるのか」「実務で本当に活かせるのか」といった懸念もあることは事実です。資格を取得する際には、「合格すること」だけを目標にするのではなく、「電験三種を取得する意義」についても意識しながら学習することが大切です。
電験三種の資格は、合格後のキャリアにもつながる重要な知識の土台です。資格取得を目指す皆さんは、易化した試験をしっかり活かしつつ、学びの基礎も大切にしてください。
6.結論
電験三種の合格者が増えてはいますが、資格の価値が下がるわけではありません。むしろ、専門知識を身につけた電気技術者は、ますます求められる時代に突入しています。
電験三種を取得することは、専門知識を証明し、キャリアの幅を広げるための大きな一歩です。資格取得を目指す皆さんは、自信を持って学習を続けてください。
私の電験三種試験、合格体験記になります。あなたのモチベーションアップにもつながりますので、是非読んで下さい。
